2014年10月10日
台風が去れば、秋が訪れますね。
久しぶりの更新です。「光陰矢のごとし」ということわざがありますが、めぐる季節に目を奪われているあいだに、長い時が過ぎ去ってしまいました。
ありがたいことに、このホームページは、まるで地面の下で時の訪れを夢見て小さな命を生かし続けていたセミの幼虫のように、私が振り返るのをけなげに待ってくれていました。
そして、それ以上に温かい心で見守っていてくださった、すべての人たちにも心から感謝いたします。枯れそうな古木に新芽が萌え出る扉絵のごとく、本日から新しい時代をつくるために始動いたします。
私は、この期間、約一年半がかりで一冊の哲学の本を書き終え出版にこぎつけることができました。そこで、これをきっかけにして、再度「心象スケッチブック」も蘇生させ、自然の美しさに感動したこと、素晴らしい芸術作品との出会い、世の中の風や波の音から気付かされたこと、などなど、書き綴っていくことにしました。
画家の私が文章書きに挑んだのですから、予想どおり(?!)奇想天外なことになってしまい、七転八倒の毎日でした。
熱を出して寝込んだ私の額に氷枕を当ててくれた家族や、肩や腰を夜遅くまでマッサージして下さった友人たち。行き詰まって悩み込んでいる私の姿を見かねて、散歩や近くの銭湯に誘い、足に豆を作り、サウナでのぼせ、湯の中で皮膚がふやけるほど哲学や神学談義に付き合っていただいた先輩・・・。日ごろから私と共に研究してきた仲間や、応援してくれる友人たちに、心の底から真心の大切さやありがたさを痛感いたしました。
本の中にも書きましたが、自然も人間も「利他的な愛の関係によって生かされている」こと、人と人の絆の尊さを実感いたしました。私たちの人生や人類社会も、間違いなく心と心が愛で通じ合い、調和することによって存在しなければならないことを、身をもって体験しながら「情然の哲学」という本のタイトルを決定いたしました。
記述された内容は、今日までの哲学・神学・科学などで解明できなかった「存在の理由」という、究極的難問への挑戦を試みたもので、海岸の砂浜に散らばる小さな貝殻のつぶやきにさえ耳を傾け、水平線のかなたより漂着した古書の挿絵に目を凝らし、そして、不思議にも夜空に輝く流れ星が道案内となり、まったく新しい視点からの哲学的景色が描写された作品に仕上がりました。
ぜひ一読くださり、ご感想など頂ければ幸いです。
「本質への深い知識がなければ、愛する権利も、憎む権利もありません。
大いなる愛は、愛する対象をよく知ることから始まります。
知ることがなければ愛することもできないのです。」 ――Leonardo da Vinci