母にささげる詩
2015年5月10日 (母の日)
縁側で母の腕枕甘く切ない遠き思い出
初夏のそよ風 緑の稲を揺らし
白き雲が過ぎ去った時を乗せて流れる
ほのかに漂うなでしこの蜜の香り
かすかに聞こえる鶺鴒の澄んだ囀り
山すその川辺で遊ぶ子供たちの声
母の柔らかな肌のぬくもりが
いつしか私を芳純な夢の世界へといざなう
夕暮れの薄暗き庭先一人たたずむ母の影
群青に溶けた家並み 星が飾り
「今日も無事にお帰り」と小声で祈る
ほのかに漂う煮立ったご飯の香り
かすかに聞こえる野鳩の寂しき木霊
山すその川辺に遊ぶ河鹿の鳴き声
母のありがたき心のぬくもりが
いつしか私を清廉な人の道へといざなう