2011年5月18日

メトロポリタン美術館前
久しぶりにニューヨークのメトロポリタン美術館を訪れ、数々の名作にふれる機会を得た。

レンブラントの自画像の前で
私の目当ての作品は、魂の画家と呼ばれるレンブラントの自画像をはじめとした油絵である。
芸術の本質がテクニックや奇抜さなどにはないことは言うまでもない。如何に物事の精神的本質を捉え、表現し得ているかが重要である。
そのためには、芸術家自身が人間として人格の深さをそなえる必要がある。レンブラントの人物画には、その者の魂がえぐり出されている。
作品を前にして、一枚の絵画との出会いというよりも、魂との鮮烈な交流を覚える。
それは、全ての物の背後に潜む精神の叫びに違いない。存在の本質がそこにあるので、それを感じ味わうことが出来てこそ、自分自身の魂が生命として存在し得るのだ。
今回の嬉しい収穫は、数多くのパステル画の秀作に出会えたことでもあった。ドガの踊り子や、マネの人物画は、線が生き生きとし、見る者を魅了する。

ドガの踊り子

マネの人物画
もう一点、サルバドールダリの十字架上のキリストの作品は、私が高校生の多感な青春時代の懐かしい思いでの絵画で、当時の友人達の顔が浮かび、胸に熱いものが込み上げてきた。